松元整形外科内科クリニック
白血球に就いては多くの本が出版され、研究報告も莫大なものがあります。私はRPMI-1640を用いた培養法と、MH法で採取した血球を培養して、血球の観察を行ったので、その方法と結果を報告します。
【方法】
- Costar flaskに組織培養液RPMI-1640 3mlを入れる。肘静脈より得た末梢血1滴(余り大きいと血球が多過ぎて観察に不適当です。中程度の大きさの1滴が望ましい)をCostar flask中のRPMI-1640の液に入れる。直ちに倒立型位相差顕微鏡で観察し、その後37℃5%CO2インキュベーターで培養し、経時的に観察する。(RPMI-1640組成は表-1です)
- M-H法:7%デキストラン70生理食塩水(血沈の遅い人は5%を用いる)7.5又は15mlに、末梢血5ml又は10mlを加え、これを室温で約60分放置する。混合液が分離されたら、上層の血球と下層の血球をそれぞれ採取して、RPMI-1640(抗生剤を含まない)3mlの入ったCostar flaskに入れる。観察を容易にするためには、上層の液は4‾6滴、下層の液は1/2滴を入れるのが望ましい。
正常末梢血の1滴を37℃5%CO2インキュベーターで培養すると、白血球はリンパ球と思われる細胞を除いて48時間以内で消失する。MH法で白血球を多数集めて培養すると
悪性疾患、リウマチ、肝硬変、肝炎、腎不全の時はキャタピラー型が多く出現する。後に述べるMysterious chainは、Non-changedの如く余り変化の少ない細胞から出現することが多い。 尚1滴培養の場合、培養直後からβ型白血球と名付けた細胞が出現する。且つ、ドンドン壊れていって3‾4時間でβ型白血球は壊れて跡形もなくなる。β型白血球の大部分は好中球であると考えます。
U.巨大白血球に就いて
癌・リウマチ・肝疾患・腎疾患・ザルコイトーシス等の疾患の場合上層・中間層の中に早いときは4‾5日、遅くて1‾2週間後位から巨大白血球が出現する。但し、培養白血球療法を3回位行うと、巨大白血球の出現は少なくなる。この巨大白血球は健康な人では絶対に出現しない。この白血球は生命力が強いのか、赤血球が18日頃で消失しても、更に長く生き続け、4週を経過してもこの形を保つ。
(photo2-(1)〜(3))
巨大白血球からは、Mysterious chainが 出るのを未だ観察していない。
いずれに してもこの巨大白血球の出現は、身体が 病的状態にある事の証明といえます。
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V.Mysterious chainに就いて
肝硬変、腎不全、パーキンソン氏病、或る種のリウマチ等の上層血球群を培養していると、白血球が時々Chain状の物質を紡ぎ出す様に細胞外へ送り出す。このChainは非常に活発に動き次第に成長して長くなる。 1個の白血球から1本のChainの事もあり、又数本のChainを出す事もある。Chainも太いもの、細いもの、長いChain、短いChainと各種です。数珠玉が連なったようなこの不思議なChainは何ものか?染色体が細胞から離れていくのであろうか?
今後是非研究したいと思っている。
Mysterious Chainは2‾6時間が経つと本体から離れて蛇の様なクネクネした運動をして、移動していく。
最後は消失するか、ブラックスポットとして残る。(下等動物の蛙でもMysterious chain様のものが見られる。(Photo3-(5)参照)
蛙の場合7%デキストラン70 3ml+蒸留水4.5ml、1滴培養の場合RPMI-1640 3ml+蒸留水4.5ml)
培養白血球(iL)点滴療法を行うとMysterious chainは出現しなくなる。4週に1回・3回の点滴で95%位抑制される 。
Photo3-(5) 左:上層 右:下層
W.白血球の貪食作用は?
上層・中間層にiLを加え更に菌を植えると、菌の増殖は強く抑制され、抗生剤を投与したものの如く緑膿菌の増殖を抑制する(photo4-(1))。抗生剤を加えた上層・中間層の中では4‾5日頃からヒゲ菌・粉菌と松元が名付けた変形した菌が増殖してくる。抗生剤による生物への副作用の為と考えられ、この事についても後日報告したい。しかし、iLを加えた場合ヒゲ菌も粉菌も増殖ない。いずれの場合も白血球の貪食作用(Phagocytosis)は認められなかった。
尚、以上の培養実験を27℃以下で行うと、いずれの場合も細菌は増殖しなかった。まさに、冷蔵庫の理論の証明です。生きた赤血球が存在する状態では27℃では菌は増殖を強く抑制されることが明らかとなりました。MRSA� ��MRSAに就いての私の見解を考按で述べます)でも27℃以下では菌の増殖は抑制されました。
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2.リンパ球に就いて
リンパ球をファイコールコンレー法を改良したゼラチンコンレー法を用いて採取した。
ゼラチンコンレー法
1) 血液を肘静脈より採血する
リンパ球分離液5mlを試験管に入れる。そこに血液5mlを重層していく。ゆっくり行う。※なるべくリンパ球分離液の近くにシリンジ針を入れてゆっくり操作を行う。分離液と混ざらないように注意する。
2) 1500‾1600rpm 30min遠心分離機にかける。
3) 遠心後アルブミン(上層の透明な液)を捨てる。
4) ラクトリンゲル液で洗浄。
5) 採取したリンパ球をRPMI-1640の入ったFlaskに入れて培養し観察した。 一部を報告します。 結果
リンパ球は
(1) Unchanged cell(Photo5-(1))
(2) 巨大フラワー型(Photo5-(2))
巨大イモ虫型(Photo5-(3))
黄色充実型 (Photo5-(2))
の4種類に分類される。
尚、充実型の中心部が無くなり、空洞化して、フラワー型と変化しつつあるかの如き細胞も若干見られる。現時点ではリンパ球は大別して4種類と考えてよい。B-cell、T-cellの2つでは理解できない。将来はもう少し細かく分類されると予想しています。尚この時、混入している米粒体は通常24時間‾72時間でBlack Spot化するのに対して、8日を経過しても活発に活動している。不思議な現象で説明は今の所出来ません。 次にMH法で得られた上層赤血球を培養していると、病気によって
a) 黄色充実型又はイモ虫型が多い人
b) 巨大フラワー型が多い人
の2種類があるようです。
この上層赤血球に健康人から得て採取し培養した培養白血球(iL)を加えるとa),b) 共に激減します。この様な患者さんにiLを点滴投与すると病状に急激な改善が見られる。
特に自覚症状の改善は素晴らしい。4週間に1回、これを3回投与とこれ等の巨大細胞は殆ど出現しなくなる。 (Photo5)
Photo5-(5)
現在の免疫学はT-cell、B-cellを基として成立していると言っても過言ではない。
私はリウマチの研究をしているうちに、現代免疫学由来の治療法が余り効果をあげない症例に多く直面した。今リンパ球そのものが4種に大別される事実を知るに及んで、その基因はここにもあると痛感している。同時に現代の免疫学は赤血球、特に私が証明し主張している上層赤血球、中間層赤血球の働きを全く無視して成立しているので根本から改めるべきであると、私は主張します。
3.白血球の新しい機能
はじめに
松元・萩谷法(MH法)に就いては前報で詳細に述べているので今回は省略します。MH法によって得られた上層・下層の赤血球を培養していると、培養の末期に上層群の細胞成分は消えてなくなるが、下層の赤血球はphoto5-(4) の如くblack shellやblack sesameになる。この細胞群の培養の最後の差は、白血球が存在するか否かにあると考えた。私は白血球の貪食作用は疑わしいと述べた。組織培養法を8年以上続けて、1回も貪食作用を観察出来なかったからです。然し、現実にはLeucocytosis(白血球の増加現象)が炎症の時に見られる。Phagocytosis(貪食作用)をしないのに何故白血球が増加するのか?この疑問について、明確に答えを出す実験をしました。白血球の新しく発見された重要な機能に就いて述べます。
Photo6 MH法による培養所見
血液が循環するためにどのくらい時間がかかりますか
実験T(MH法による血球の培養所見)
MH法で分離採取された血球を、白血球を含む上層赤血球群(以下上層群と呼びます)と白血球を含まない下層赤血球群(以下下層群と呼びます)の2つのグループに分けそれぞれをRPMI-1640の液に入れ37℃5%CO2インキュベーターで培養する。
初期にはPhoto6-(1)の如きものが終末期にはPhoto6-(2)の如くなります。Photo6-(2)の上層群では、細胞成分が綺麗に分解されて水溶性の物質に変化して、殆んど何も見えません。
他方下層群はPhoto6-(4)の如く黒い貝殻(Black Shell)と黒いゴマ(black sesame)になります。赤血球の細胞成分が分解されずに残っているのが、一見して明らかです。
次にこの下層群に本人の白血球を加えて培養すると上層群と同じ様に綺麗に細胞成分は分解されて見えません(photo6-(5))。更に下層群に同じ血液型で−20℃に保存しておいた健康人の培養白血球を解凍して加えて培養しても前者と同じ様に赤血球の細胞成分は分解され、水溶性物質に変化して見えなくなる(photo6-(6))。 実験U(筋肉・脂肪・骨髄組織の培養所見)
次に手術野から採取した筋肉組織、脂肪組織、骨髄組織をそれぞれ5×5×3mm大採取し、これを更にメスで切って小さな切片としてRPMI-1640の液3mlを入れたCostar flaskの中に入れ37℃5%CO2インキュベーターの中で培養すると、筋肉・脂肪の両組織は、培養の末期にはphoto7-(1)(3)の枯葉の如くなります。次に同じ方法で用意した筋肉・脂肪組織に生きている本人の白血球、又は−20℃に冷凍保存した同じ血液型の健康人の培養白血球を解凍して加えて培養しても、不思議な事に綺麗に細胞成分は分解され組織の残骸を見る事は出来ません(photo7-(2)(4))。骨髄組織は単純培養でも、冷凍保存培養白血球を加えても、どちらも分解されます。(Photo7-(5)(6)) Photo7
この現象は白血球及び白血球の成分が、生体内の組織を構成する細胞が老化して、新陳代謝で新しい細胞に置換された時に、或いは炎症等の病気で壊死を起こした時に、細胞の成分を白血球及び、白血球の成分が分解し、水溶性の物質に変換して体液の中を流れ、肝・腎らを通して体外に排泄しているという事を示すものと私は考えます。
補足1
現在私は大腸壁からも水溶性の小さな物質に変えられた老廃物の細胞成分が、体外に排泄されていると予想しています。この事は断食法やラジオアイソトープ法を使って証明できると考えています。消化器系専門医との共同研究を期待しています。是非連絡して下さい。FAX&TEL:03-5763-9177 URL;http//www.lhl-matsumoto.com Email;lhldrgent
考按
実験の結果について
末梢血1滴を37℃5%CO2インキュベーターで培養すると健康人ではphoto8-(1)(2)の如くなる。即ち、黒いゴマ粒と遠入サークルという円形のドーナッツ型を呈する。然しRAの実験の結果では、photo8-(3)(4)の如く黄色、白色、黒色のparticleになり、健康人の如くキレイにはならない。更にユーレーと名付けた黒い枠だけで内容が空となったものも散在する。
癌の血液も同様である。ヘルペスの場合はphoto8-(8)の如くなる人が多い。即ち病気の人の末梢血培養の最後は華やかな色々のparticleとなる。 ここで、横道にそれます。実はメタボリスムスの研究は非常に進歩しております。クレーブスのサイクルに始まって如何にしてエネルギーを作るか?に就いての研究は数多くあります。然し老廃物の排泄に関しての研究報告は驚く程極めて少なく、且つ抽象的です。例えば流れている老化した赤血球を脾臓で分解していると成書には書いてあります。
脾臓のreticulo-endothelial systemの細胞で赤血球を壊したと仮定します。ではその次に壊された細胞成分はどうなっているかに就いては全く書かれていません。壊れたらそれで終わりになっています。実はこの壊れるときに細胞成分がどのように分解されて、水溶性の小さな物質となりどのように体外に排泄されるかが重要です。赤血球以外の組織細胞はどのように分解され排出されているのであろうか?更に最近はApotosis(アポトーシス)、Apotosisと言っています。生体内でApotosisが起った時、その成分を水溶性物質に変えて体外に排泄するメカニズムに就いては全く報告されていません。 白血球の寿命は、赤血球の約125日に比べて非常に短く、ラジオアイソトープを使った実験では14日程度と報告されているようです。我々が培養実験をする時、健康な人の白血球(リンパ球と見られる)は短命で2日位で殆ど見る事が出来なくなります。何故白血球が短命なのかを納得させる論文を私は読んだ事がありません。私の今回の実験を通し私は以下の如く考えました。白血球は大きな核を持った好中球を中心としています。他の白血球も核を有して細胞の形をしています。従って毛細血管を出て体の隅々まで行こうとしても、大きさのゆえに途中で引っかかってしまいます。然し白血球が短命で自壊すると話しは異なります。自壊すると白血球の体内にある酵素やその他の成分は、体液中に溶け込み体液と共に体の隅々まで到達す� �ことが出来ます。新陳代謝の負の部分と云うべき、老化して死亡したり、壊死になった細胞成分は、体液中に流れ込んだ白血球の成分が分解して、水溶性の物質へと変え、体液を通して体外に排泄している事を私の今回の実験が証明していると私は考えます。白血球の寿命が短く自壊する事によって始めて生体のメタボリズムは保たれているのです。白血球が短命な理由はここにあると私は考えます。自然の不思議なそして素晴らしいメカニズムと云うべきです。
以上の如く考えて来ると、当然メタボリズムが障害されて組織が変性して発症すると考えられる疾患では如何であろうかという考え浮かび上がります。それらの疾患は、肝硬変・腎不全・パーキンソン氏病等です。そこで以下の研究を行いました。 実験V(肝硬変・腎不全・パーキンソン氏病等の培養所見)
研究方法 (1) 肝炎後の肝硬変、腎不全、パーキンソン病 の患者の末梢血10mlを採取しこの血液を2分する a) M-H法で培養する | Photo9 |
結果
(1) 肝・腎・パーキンソンの場合培養開始9‾24時間で、Uのコントロールの白血球からphoto3の如きMysterious chainが出現してくる。尚、少数ですがblack spotからもMysterious chainが出現する。(このビデオご希望の方は〒143-0014 東京都大田区大森中2-1-19シティーライフ梅屋敷303 TEL&FAX:03-5763-9177までご連絡下さい)Mysterious chainは活発に波動運動を示しつつ、次第に大きくなり、更に発生源であった白血球又はBlack spotから離れて1人で泳ぎ出してしまいます。最後は溶けてしまうか黒いBlack spotとなってしまうようです。 (2) 血球は自然消滅していくが、4日頃から或る種の白血球が大型化し始め、巨大白血球となっていく。(最近になって、これはリンパ球であることが証明された。Photo2-(1)‾(4) 参照) (3) 赤血球は徐々に変形変質して消失していきます。変形変質程度は健康人では軽く、肝・腎の場合は赤血球の変形変質が早く且つ甚しく、肝・腎疾患では10‾14日と短時間で消失する。 (4) photo10,11,12の如くコントロール群は徐々に変化します。本人の白血球を加えた肝炎では5日目、腎不全は4日目、パーキンソンは5日目頃からphoto10,11,12の如く細胞が変化・変質してきます。健康人の培養白血球を加えたものでは、変形・変質は極めて軽度です。他方、本人の白血球を加えたものの血球の寿命は短く、最後の状態も汚く各種のparticleが見られます。
肝・腎・パーキンソンの上層に健康人の培養白血球を加えたものでは、赤血球の変形変質が軽く寿命も長く最後の状態も健康人の所見に似て見えます。
即ち、健康人の培養白血球が有効であると考えられるデータ−が得られた。残念ながら未だに病的な肝・腎・パーキンソンの肝・腎・脳の組織を使っておりません。若しこれらの組織が今後得られた場合、これらの組織をCos tarのTranswellのInnner partに入れOuter partに健康人の肝・腎疾患の人の血球を入れて培養すると更に詳細なデータが得られると考えております。(パンチバイオプシーで得られる程度の組織で充分なのです。肝・腎グループの先生方でパンチバイオプシーをしている専門家の人達と共同協力をしたいと考えております。)
今までの研究から何等かの原因(ウイルス、化学的毒物、アレルギー物質等)によって、白血球と赤血球間の相互関係や白血球と組織細胞との相互関係が崩壊すると健康維持体制に異常が発生する。その結果肝・腎・パーキンソンの如き、変化過程が起きると推定されます。尚、これ等の疾患では上層血球の中でM.M.L(Moving Micro Livings)が非常に増加しているので、これが最も発症に関係していると推定しています。
幸な事に培養白血球を投与すると、3回の投与でmysterious chainの出現は95%以上抑制されます。更に臨床検査のデータも良くなり、非常に元気になります。健常白血球及び白血球の成分がこれらの疾患の治療に有効という結論です。白血球及び赤血球の相互関係、更に血球と組織との相互関係が正常化されれば、肝・腎疾患の進行は抑制され、肝移植、腎移植の可能性を限りなく零にする事ができます。今後大いに研究されるべき重要な事と考えています。
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