操作的分類と診断(米国精神医学会の基準 DSM-IVによる)-うつ病の診断 | Utsu.jp 〜うつ病と不安の病気の情報サイト〜
「従来型分類・診断」が、患者さんの訴える症状の確認に併せて、うつ病の発症において誘因があるかどうか、さらには生育歴や病歴、病前性格などを総合的に考慮して診断を下すのに対し、米国精神医学会が提唱したDSM-IVの診断基準では、患者さんが訴える症状のみに焦点をあてて診断するようになっています。患者さんの性格や発症誘因についてはこの分類・診断法では考慮しません。人の性格や発症誘因などは「誰にでもあり得る」ものであり、うつ病を発症しやすい性格の人すべてがうつ病にはかかるとは限らないという考え方に立っているからです。
ウィチタフォールズTXアメリカ合衆国、地域の医療システム
DSM-VIでは非常に詳細に病気の分類がなされており、診断のチェックポイントも比較的簡潔になっています。これは、患者さんの性格や環境要素は考慮せず、あくまで症状の基準に沿った診断を行う方法であることから「操作的分類・診断法」と呼ばれています。
実際の診断基準日本語版には、もっと詳細に症状について記述されていますが、ここでは簡潔に示します。
これに加えて実際に、著しい苦痛を感じたり、社会的な活動や仕事・家事などにかなりの支障をきたしていることの確認が必要です。そしてそれらの症状がアルコールや薬の乱用、他の身体的な病気(例えば甲状腺機能の低下症)によるものではなく、また近親者の死亡などの悲しい出来事などが誘因とは言い切れないものをうつ病(大うつ病性障害)と診断します。
また、平日の仕事がある日は会社に通うのもおっくうだが、週末はレジャーやスポーツで気分転換ができるという方は、厳密に言うと典型的なうつ病とは言えません。しかし、最近ではこういった患者さんも自ら受診するケースが増加しており、このような患者さんのうつ病が現代型うつ病や新型うつ病などと呼ばれ注目されるようになってきました。しかし現代の精神医学においては、現代型や新型と呼ばれるうつ病について、標準化された医学的な定義はなく、現時点ではこれらの用語は一般で使われているうつ病分類のための用語であり正式な病名ではないと考えられます。
最近では、一般の方にもDSM-IVの診断基準が認知されつつあります。しかしながら、症状を呈する時間や期間についてはあまり語られることがなく、診断基準そのものが誤解されている風潮も見受けられます。
自己診断は禁物ですが、2週間以上続く症状が複数あり、気分の落ち込みや興味がわかないという状態が一日中続いて日常生活に支障をきたすようであれば、早めの受診をこころがけることが重要です。患者さんのみならず周囲の方も注意を払うよう心がけ、気付いた場合には受診を勧めることも大切です。
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